DrogerieとApothekeの違い
Drogerieは衛生用品を購入でき、Apothekeでは薬を購入できます。
Drogerie(ドラッグストア)では、食料品以外の、化粧用品、飲み物、軽食、サプリメントなどを購入することができます。一方でApotheke(薬局)では、健康のための薬とやその他の製品を購入できます。日本での薬局とドラックストアの違いに似ていますが、異なるのは、処方箋がなくても買える薬が多く置いてあるという点です。Apotheke(薬局)は主に処方薬を販売していますが、Drogerie(ドラッグストア)では市販薬しか入手できず、補完医療を専門としています。
また、店員の質も大きく異なります。Apotheke(薬局)で薬剤師になるためには、大学で4年制の薬学部を卒業しなくてはいけません。また、2年次と4年次の終了時にそれぞれ国家試験があります。加えて、2年次終了までに学期休みを利用して8週間の実務実習を行なわなければなりません。卒業後に1年間の実務実習を経て、薬剤師資格取得のための第3次国家試験を受けて合格をすることで、やっと薬剤師としてApotheke(薬局)で働くことができます。
Apothekeで受けられるサービス
ドイツの薬局は処方薬のみならず薬局指示薬、 医薬部外品、ホームケア用品、化粧品など、多くの品物を扱います。日本の調剤薬局とドラッグストアの両方の機能を合わせたような混合型です。
ドイツでは医薬品を「要処方箋薬(Verschreibungspflichtig)」、「薬局指示薬(OTC, Apothekenpflichtig)」、「普通薬(Freiverkäuflich)」の3つのカテゴリーに分類します。
このうち「要処方箋薬」と「薬局指示薬」は薬局でしか販売できません。原則的に大人へは「要処方箋薬」のみ、子ども(18歳未満)へは「要処方箋薬」と「薬局指示薬」が法定保険償還対象となります。
そして薬局は、「速やかな医薬品供給」と「医薬品の有効性、安全性、品質の維持」を業務の2本柱とし、また、国民の健康を守る職務から、以下の業務を行っています。
・調剤業務
・OTC医薬品、サプリメントの相談販売
・介護施設、医院への医薬品供給
・処方された医薬品の配合禁忌・相互作用のチェック
・疑義照会
・輪番制の夜勤 (ひと晩に全国で約1400店の薬局が担当)
・血糖値、血圧の測定
・調剤用原料の確認試験
・製品情報、健康管理情報の提供
・副作用の関係当局への報告
・市販医薬品検査(外観、表示の適正をチェック)
・医薬品不良ロットの報告・回収・返品
・不良医療機器、不適サプリメント等が疑われた際の関係当局への報告
調剤業務といっても日本と異なり「箱出し」が原則で、箱は適応症、投薬期間に合わせて3サイズがあります。処方箋の受け取りから医薬品を出すまで非常に短時間で済むため、薬局には待合室を設置していません。もちろん、処方内容によっては製剤を調合することもあります。
平日は医薬品の卸会社から1日に3~5回の配送があり、薬局に在庫がない場合も迅速に商品の補充ができます。
医薬品の支払いは箱ごとに請求され、保険請求価格が50ユーロ以下なら、1箱あたり5ユーロ。50ユーロを超える場合は1箱当たり10%の負担で、上限は10ユーロです。
2004年の医療制度改革で、大人へのOTC医薬品処方が保険償還外となりました。これを機にOTC医薬品の相談販売も重要な業務の一つになりました。そのため、患者さんの中には、医薬品やサプリメントに関する質問、健康相談のためだけに行く人もいるようです。