はじめに
音楽大学の進学を目指すにあたり、学費の問題は避けて通れません。音楽大学では、卒業までにおよそ800万程度の学費がかかります。普通の大学では4年間で300万程度で卒業できるところ、音楽大学では、およそ普通大学の2〜3倍の「800〜900万」が諸経費を含めて必要となり、加えて、一人暮らしをするのであれば、家賃などでプラスで480万、楽器の整備や新規購入、教材の購入なども含めたら、4年間の総額で「1500万」程度の出費は覚悟しなければならないでしょう。
こちらでは音楽大学への進学を考えている方のために、都内近郊の音楽大学の中でも、ピアノ専攻に絞り、入学から4年間でかかる学費の総額を大学別に比較いたしましたので、学費等で悩まれている方のご参考になれば幸いです。
第1位 東京藝術大学
学費が飛び抜けて安い東京藝術大学
まず、東京藝術大学の学費が飛び抜けて安いことがわかります。東京藝術大学は、音楽を学べる数少ない国公立の大学ですが、他の私立音楽大学と比べるとほぼ半額です。一般大学と比較してもそれほど変わらないために、経済的に余裕のない方は受験を考えてもいいかもしれません。ただし、東京藝術大学は、とても入学難易度の高い大学なので、たまに浪人を5年、6年など長期間に渡ってする方もいらっしゃいます。
東京藝術大学は学費も安く、学習環境もとても良い大学です。多くの人が目指す分倍率も高くなっていますが、目指す価値は十分にあると思いますので、是非入学を目指して頑張ってください。
第2位 洗足音楽大学
第3位 昭和音楽大学
都内近郊の学費ランキング
大学名(コース名) | 4年間の学費総額(諸経費込み) (2019年度) |
---|---|
1.東京藝術大学 | 3,134,900 |
2.洗足音楽大学 | 8,232,650 |
3.昭和音楽大学 | 8,265,500 |
4.昭和音楽大学(演奏家コース) | 8,265,500 |
5.東邦音楽大学 | 8,358,660 |
6.武蔵野音楽大学 | 8,430,000 |
7.国立音楽大学 | 8,438,000 |
8.東京音楽大学 | 8,528,000 |
9.桐朋音楽大学 | 8,626,400 |
10.武蔵野音楽大学(演奏家コース) | 8,830,000 |
11.東邦音楽大学(演奏家コース) | 9,558,660 |
・演奏家コースという名称は、実際の学科名とは異なる場合があります。
私立音大の学費はほぼ横並び
私立大学の学費は、4年間で60万程度の差が出ます。決して少ない差ではないかもしれませんが、音大の学習環境は大学ごとに全く異なります。楽器のレッスンは個人で行われ、4年間基本的に同じ先生に教わるので、相性のいい先生を選ぶべきですし、それによって4年間の楽器の上達率や、モチベーションの維持、学習できる内容なども変わってきます。確かにお金の問題も重要ですが、自分の気に入った学習環境を選択することをお勧めします。
演奏家コースは比較的学費が高め
大学によっては、普通の器楽科とは別に、演奏家コースが設定されていることがあります。普通の器楽科との違いとしては、通常の授業がより演奏活動を意識したものになっていることに加え、レッスン時間が長く、在学中に人前で弾く機会も多くなっています。
授業料は確かに他の学科に比べ高く設定されていますが、その分の価値は十分にあると思います。実際に演奏学科に入った学生は、通常の学科の人に比べて多くの時間を練習に費やしており、意識の違いを感じる場面も多いです。
自分をしっかりマネジメントできる方であれば、通常の器楽科のコースに入ったとしても演奏家を目指すことは可能ですので、経済的な面も考えて、入学が可能であれば、演奏家コースを一つの選択肢に入れてみてはいかがでしょうか。
まとめ
音大の学費が高いと言っても、やはり国公立である東京藝術大学の学費は一般の大学とあまり変わらずに、4年間で300万程度と安いです。しかし、東京藝術大学のピアノ科難易度が高いので、目指されている方は早めに試験曲を確認し、準備に取り掛かりましょう。
他の大学では、学費に差はあるものの、年間10万円程度です。せっかく音大に入学することを決めたのであれば、学びたい環境で、学びたい先生に楽器を教えてもらうことが一番だと思います。そのため、学費の差は一度考えるのを辞め、オープンキャンパスで気になる大学を見学してみてください。きっと入りたいと思える大学に出会えるはずです。
どうしても、金銭的な面で悩まれている方は、給付型で返還義務のない奨学金も大学ごとや、企業、国や各県ごと、などからもらえる可能性がありますので、調べてみると良いでしょう。